人間失格

2010年2月16日 日常
中学生の頃から、何か憂鬱な気分になると、太宰治の「人間失格」を読んでいた。それは、高校を卒業する頃まで続いた。
「人間失格」を読むと、「ここまで憂鬱でない自分」、「ここまで性格が歪んでいない自分」を自覚することができ、何か元気が出るのだ。

最近、少し憂鬱なことが重なり、昨日、久しぶりに読もうと思って本棚を探すのだが、ない。見つからない。
仕方なく、書店で買おうと思って探していると、何と今、太宰治ブーム(?)らしくて、平積みでたくさんの太宰作品を置いている。
しかも、人間失格が「待望の映画化」と帯がついている。
ありえない。
誰が、人間失格の映画化を「待望」しているんだ?
あんなもの、たくさんの人間と一緒に映画館で観るもんじゃないだろう?
例え映画になるとしても、薄汚れた酷い臭いがする場末の映画館で、膝を抱えて暗くぼんやり観るものだろう。
ありえない。

そんなに流行しているものを、今さら買う気もしないので、他の本を買って書店を後にした。
何という時代なんだ…。

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